2022年09月06日

羊の国の作曲家 (2022.9.6)

次回の第50回定期演奏会で採り上げる「ドライスデール序曲」を作曲した、ニュージーランド出身の作曲家リルバーン。
彼の作品をフィロムジカが初めて取り上げたのは8年前の第32回定期演奏会でした。
その時の作品は「島の歌(音詩)」。

多分ほとんどの日本人が知らない作曲家の、多分誰も知らない作品。
ライブラリアンである自分がまず考えたのが楽譜の入手方法。
スコアはあったので、まずはニュージーランドの大学にあるその出版社に確認したら「パート譜はないので演奏したことがあるオーケストラに聞いてみてほしい」とのこと。

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当時この曲が収められたCDは1つしかなく、そこで演奏していたオーケストラ(ニュージーランド交響楽団)に直接問い合わせをしてみると
「ほんとにこの曲を演奏するの?」
「そうだよ」
「ニュージーランド以外で演奏されたことがないので、この楽譜が初めて国外に、しかも赤道を越えることになるね」
そのため当時のチラシには「北半球初演」というあまり聞かない文句が付けていたのを懐かしく思い出します。

そして今回の「ドライスデール序曲」。
あれから8年、まさか彼の曲を再び演奏することになるとは思わなかったけど、どことなく北欧の香りがするとても良い曲だと思います。
そういえば自然豊かなニュージーランドは南島には氷河もあり、それによって形成されたフィヨルドもあるのでどことなく北欧の雰囲気がするのもわかります。
リルバーンは北島出身なんですが。

この曲はイギリスなどでも演奏をされており、残念ながら「北半球初演」ではありません。
ドライスデールというのは、北島の南西に位置する小さな町ファンガヌイ(Whanganui)がある地方の名前で、今はほとんどこの地名は使わないそうです。リルバーンが幼少時代にそこを流れるトゥラキナ川で遊んだ体験をハックルベリーの冒険にだぶらせてこの曲のイメージを作ったという文献があります。
実はこの町には15年ほど前に仕事で一度行った(ほぼ通過)ことがあります。
ごめんなさい、何の記憶も残っていません。。。

今回のメイン曲アイヴズはアメリカの作曲家ですが、この曲もわずかですがアメリカと少し関連があったとは。
そしてシベリウスは北欧を代表する作曲家。
今回は大陸を挟んだグローバルなプログラムですが、ほんのわずかですが関連があるこれらの曲目をぜひお聴きいただければ幸いです。
M(Trb)


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京都フィロムジカ管弦楽団第50回記念演奏会
2022年12月18日(日)13時開場/14時開演
栗東芸術文化会館SAKIRA(さきら)大ホール
指揮:藏野雅彦
 リルバーン:ドライスデール序曲
 シベリウス:クリスティアンⅡ世(組曲版)
 アイヴズ:交響曲第2番
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posted by 京都フィロムジカ管弦楽団 at 20:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 演奏会情報 | 更新情報をチェックする